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2011年1月31日 (月)

燃料フィルター凍結!

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先週末も土曜の夜遅くからハチ高原へ。

家を出た時は星空が見えていたけれど、和田山に入り9号線に乗った頃から突然ものすごい降雪。

見る見るうちに路面に積り始め、養父市に入る頃にはどこが道路だか分らないくらい。

とても兵庫県にいるとは信じられないほどの状態。どう見ても豪雪地帯の雪国。

恐る恐る車を走らせ、一抹の不安を感じながら山道へ。

山道の途中からはほとんど轍がなく、路面に30センチ近く積雪。

つまり夕方にスキー客が山を降りてから30センチの降雪があり、その後ほとんど誰も山を登っていないということか。

四駆のスタッドレスとは言え、この巨体でスタックしたらどうしようもない。

ここまで来たらもう引き返せない。一度止まってしまうと再発進できるかどうか確証がないので、とにかく止まらない様に慎重に進み続ける。

恐る恐る山道を登っている間にも、ヘッドライトで反射して前が見え難くなるほどの降雪が続く。

やっとハチ高原の駐車場にたどり着いたときは午前1時。

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停まっている車は数台あったが、どれもしばらく前から停まっているような印象。

車のエンジンを止め、ベバストのFFヒーターとホット・カーペットのみで暖をとる。

恐らく外は零下数度といったところだろうけど、これで十分な暖かさ。

膝近くまでの雪に埋もれながら外のトイレに行き、ブロック・ノイズだらけのテレビでアジア・カップの決勝戦を観ながらビール。

さすがに2時には睡魔に襲われ就寝。テレビは映りが悪くストレスがたまるばかりなので、翌朝のニュースを見ることに。

朝6時半、目を覚ますとヒーターが止まっていた。

今回は電気を喰う加湿器は使っていないので、電圧低下で止まるとは思えないし、何か変だ。

通常この時間には除雪車や圧雪車が動き回って騒がしいのだけど、外は静まり返っている。

除雪作業も遅れるほどの大雪か、と思いながら、車のエンジンを掛けると、短いクランクのあとすぐにエンジンは掛かるものの、10秒程度でストール。

「?」と思いながら、もう一度キーを捻ると、すぐエンジンは掛かるが、すぐにストール。

この間、一切の警告灯は点かない。

同じことを3-4回繰り返す。

ひょっとして、これはかなり深刻なことではないか・・・

とりあえず冷静になって、とりあえず暖を取るための装備はホット・カーペットだけなのだから、とりあえず外に出て発電機を起動して・・・しばし考える・・・

警告灯はどれも点いていないし、どこかが凍った??

むやみやたらにセルを回してメイン・バッテリーがあがったら元も子もないので、まずはゆっくりと朝飯でも食って・・・

車のディーラーの始業の9時を過ぎたところで、ディーラーの担当に電話してみた。

症状を詳しく伝えると、こちらで相談をして掛け直しますと。

数分後、折り返してコール。

「そちらは相当寒いですか?マイナス10度とかあります?」

「そりゃ寒いけど、兵庫県のハチ高原だし、駐車場だし、せいぜいマイナス数度くらいでしょう。」

「燃料はどこで入れました?」

「ウチの地元です。」

「だったら、普通、軽油は寒冷地仕様だと思うのですが、症状的には燃料が凍った症状に似ているんじゃないかと思います。ウチも(大阪のディーラーだから)経験があまりないので、キャンピングカー・メーカーのバンテックにも問い合わせて、もう一度電話します。」

そして、再度コール・バック。

「やっぱり軽油が凍ったんじゃないかと。ハチ北のブログを見てみたら、マイナス10度のこともあるようなことも書いてましたし、とりあえず、左前輪のすぐ後ろの泥除けをめくったところにある燃料フィルターをお湯につけたタオルなどで温めてみてください。」

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で、ガスを入れてお湯を沸かし、娘の使い古しのキティちゃんのタオルをお湯に浸して、燃料フィルターに巻いてみた。

がんばれキティちゃん!

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燃料フィルターはなかなか手の届きにくいところにあり、温めたキティちゃんのタオルはすぐに冷えてしまうけど、何度かお湯に浸しては巻いてみる。

そしてエンジンを掛けてみると、同じようにすぐにエンジンは掛かり・・・

今度は10秒程度では止まらない。

やった!と思いきや1-2分でストール・・・

そんなことを何度か繰り返している内に、またディーラーから電話。

「どうですか?」

「症状は改善傾向だけど、まだ駄目です。」

「バンテックによると助手席のシートを上げてエンジンルームをむき出しにして、その辺一帯にお湯お掛けるという方法もあるそうです。」

で、それもやってみた。

でも長くて3-4分間しかアイドリングは続かない。

絶望感に駆られながら昼食。

午前中は天気が悪く、少し吹雪いている状態。

リフト開業も遅めだったし、午前中は子供たちは宿題とビデオ。

昼過ぎから急に青空も見えだしたので、リフト券は午後券を買って、家内と長男・次男・長女をスキーに送り出し、次女を昼寝させて、作業再開。

色々やってみた。

燃料フィルターの下にカセットコンロをセットしてお湯を沸かしてみたり、何度も何度もエンジンルームに盛大にお湯を掛けたり。

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それでもアイドリングは5分と持たない。

頭を抱えた。

車を置いて山を降りるなら3時くらいには決断しないといけないかも・・・

と善後策を思いめぐらせながら、また車体下から燃料フィルターを覗くと、銀色のそれは冷たい風にさらされて、表面がまた凍りついている。脇に落ちているキティちゃんタオルもバキバキに固まっている。

初心にかえって、とにかく燃料フィルターを温めよう。

何か効率的に温める方法はないのか??

ドライヤーで温めることも考えたけれども、コードが届かない。こんな時に限って延長コードを積んでいない。

そんなときに眼についた灯油ポンプ。いわゆる「醤油チュルチュル」。発電機の燃料や清水を移し替えるときのために2本用意して積んでいたけど、これまで一度も使わずに仕舞い込んでいた。これが使えるかも・・・

お湯をたっぷり入れた鍋を燃料フィルターの下に置き、タオルでくるんだフィルターに灯油ポンプでお湯を掛けまくった。

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そしてエンジンを掛け、1-2分おきに車の下に潜り込んで、お湯を掛けまくった。

すると、アイドリングが続く・・・

これで止まったら後がないという思いから、しばらくはお湯を掛けながらアイドリングを続けた。

ああ、「醤油チュルチュル」ありがとう! ありがとうドクター中松!?

30分ほどアイドリングが続いたところで、ようやく水温計が少し上がり始め、エンジンが温もってきたようなので、お湯かけを中断した。

そうこうしている内に、また吹雪いてきて、帰ってきた家内と子供たちをキャンカーに入れて、みんなでおやつタイム。

エンジンは快調に回り続けているし、また気温も下がってきたので、早めに下山して温泉に入って帰ることにした。

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ディーゼル・エンジン車を初めて所有した僕が学んだこと。

1)軽油はマイナス10℃程度で凍る(通常の冬季用の2号軽油の場合流動点が-7.5℃以下)。

2)よって寒冷地仕様の凍りにくい軽油があるが(3号は流動点が-20℃以下、特3号は流動点が-30℃以下)、僕が住む町はどうやら「寒冷地」ではないらしい!?

3)この「凍結」を防ぐためには現地で給油すること。スキー場に行くなら、なるべくスキー場近くで燃料がなくなるように計算して出発し、「寒冷地」で給油すること。

4)裏技として軽油に灯油を混ぜる方法もあるようだが、これは軽油税に対する脱税行為になる上、灯油の成分がエンジンを傷める可能性もある。

5)あまりメジャーではないが、軽油に混ぜる凍結防止剤も売られていて、キャンカー・ユーザーの中では使用している人もいるらしい。

6)凍る時はたいてい燃料フィルターで凍る(パラフィン成分が硬化してフィルターを目詰まりさせる)ので、凍った時はとにかく燃料フィルターを温める。

寒冷地仕様の軽油を入れていても、凍る時は凍るそうで、あの燃料フィルターを温めるヒーターのようなものはないのか、もしくはペットボトルヒーターのようなもので自作している人はいないのか調べてみたけど、特にそういったものはなく、やっぱり対策は「現地で給油すること」に尽きるようだ。

スキー場に行って、結局半日近く車の下に潜っていたわけだけど、色々勉強になった。

まあ、とにかく無事に帰ってこられて何より。

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コメント

すごいサバイバル能力やね!!

投稿: 玉造フォレスト | 2011年2月 1日 (火) 03時21分

お父さんは大変ですね

車の下で湯を沸かすってすごい光景なんでしょうね・・・。

投稿: おっさま | 2011年2月 1日 (火) 10時18分

>玉造フォレストさん、お世話になってます!

サバイバルというか、ディーゼル車乗りにとっては常識だそうで、燃料フィルターを凍らせて大慌てするのは恥ずかしいことのようです(恥)。

投稿: akamatsu | 2011年2月 1日 (火) 23時11分

>おっさまさん

ロシアでは、朝の始動前にトラックやバスの下で火を焚いている光景が日常的に見られるとか・・・
お湯を沸かすなんて序の口です。

投稿: akamatsu | 2011年2月 1日 (火) 23時16分

 akamatsuさん 初コメントさせていただきまぁす
先日は燃料フィルターとの格闘、大変お疲れ様でした 
まさかハチ北で凍るとは、正直思っていませんでした
写真、半端じゃない積もり方ですね・・・

投稿: たかぼぉ | 2011年2月 2日 (水) 18時13分

>たかぼぉさん

先日はお世話になりました!!
適切なアドヴァイスを下さり、本当にありがとうございました。
たかぼぉさんに携帯が繋がらなかったら、車を置いて山を下りていたかも知れません。
恥かしながら、軽油が燃料フィルターで凍るなんて全く知りませんでした。
しかしウチらへんで売っている軽油が寒冷地仕様でないとは、意外な話です。

投稿: akamatsu | 2011年2月 2日 (水) 23時08分

今ブログを見さして頂きました。
凍結から解放されました!
神様のようです。
ありがとうございました。

投稿: スキップキャンパー | 2015年1月 2日 (金) 10時07分

スキップ キャンパーさん、良かったですね。お役に立てて何よりです!
私は今、大寒波の岐阜の山奥にいます。水道の蛇口が凍ってしまいました。今夜はエンジンをかけて寝ようか悩んでいますw。

投稿: akamatsu | 2015年1月 2日 (金) 19時59分

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