「さよなら。いつかわかること」
このところ忙しくて、本を読んだり、映画を見たりする時間がほとんど取れていません。
ホントは上手く隙間時間を使いたいところだけど、仕事が済んでから家の雑事をこなすのが精一杯ってとこ。
時間は無理に作れば作られないこともないけど、どうも気持ちに余裕がないなあ。
しばらく前に観た映画、「さよなら。いつかわかること」。
特にドラマチックな展開がある話ではありませんが、じわっと心の奥底に染み込んで、時々ふっと思い浮かぶ、そんな映画です。
陸軍を辞めシカゴのホームセンターで働くスタンレー(ジョン・キューザック)には、イラクに赴任している陸軍軍曹を務める妻・グレイス、12歳の長女・ハイディ、8歳の次女・ドーンの家族がいる。妻がいない寂しさと、母親がいない寂しさを抱えながら、父娘は互いに距離を置き、ぎごちなくテーブルを囲んでいる。そんなある日、グレイスの戦死を伝える一報がスタンレーに届くが、彼はそれをどうしても娘たちに伝えることができず、娘たちを車に乗せて、何も言わずに突然の旅に出る。行先は、ドーンが以前から行きたがっていたフロリダの遊園地なのだが・・・
ジョン・キューザックが好きなので、それだけの理由で選んだ映画でしたが、娘との距離に戸惑い、娘に気持ちが伝えられずに独り悲しみを内に秘め苦しむ、不器用な父親をキューザックが好演しています。
ストーリーとしては淡々としたロード・ムーヴィーで、とりたてて大きな起承転結はありません。
しかし、言葉の端々、動作の隅々に、父親の、娘たちの気持ちがしっかりと表現されていて、それがラスト・シーンの静かな感動へと繋がっていきます。
クリント・イーストウッドによる抑制の効いた静かな音楽が、映画の印象をさらに忘れがたいものにしています。
いい作品です。
また、心に余裕を持って、再見してみたいな。
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