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2009年8月29日 (土)

「秒速5センチメートル」

517ukda328l__ss500_ 評判の高かったアニメ「秒速5センチメートル」を観ました。

随分前にBSで放映したものを録画していたのですが、なかなか見る機会がなくてほったらかしにしていました。しかし、63分という短い連作短編なので、ちょっとした隙間時間に観ることができました。

男(の子)による男(の子)のためのセンチメンタリズム?

運命的な出会いで結ばれていた転校生同士の遠野貴樹と篠原明里は、東京の小学校を卒業すると同時に、転居によって離れ離れに。手紙だけで繋がっていたふたりだが、ある大雪の降る日に中学生の貴樹は遠く離れた明里に会いに行く決心をする・・・。
時が流れ、種子島で高校生活を送る貴樹。貴樹に思いを寄せる同級生と共に見送るロケットの向こうに彼が見ていたものは・・・。
そして、東京の大学に進学・就職し、東京で一人暮らす20代後半の貴樹。彼のもとにあるメールが送られてくる・・・。

フルデジタルと銘打ったアニメ作品が、どういった工程を経て製作されるのかは知る由もありませんが、ごく少人数による長時間の作業により、実写よりもリアルと言っていいほどの画像を作り上げている作品です。

監督の新海誠氏は、後発のアニメ監督だからこそ画で勝負すると言っているそうですが、まさにその言葉に偽りはないでしょう。

背景や小物などのディテールがあまりにリアルなので、アニメらしい人物キャラクターが少し浮いているような歯がゆさも感じます。

しかし、それがこのアニメのストーリーや精神世界を象徴しているような気もしました。

「リアルな現実世界」と「アニメで描かれる非現実な世界」の交錯。

ストーリー自体は極めて現実的なものですが、それを支える精神世界はあまりにも青臭く、男(の子)による男(の子)のためと言ってもいい、ひとりよがりなセンチメンタリズムに満ち溢れています。

これを実写で描いたならば、ほとんどの人に見向きもされない青臭いだけの話になったかもしれません。

40半ばのオジサンとしては、アニメという非現実のフィルターを通して、こういう話を観てみるのも悪くはないと思います。

中学生ならば、素直にこのフィルターの向こうの世界で自由に夢想するのもよいでしょう。

いろいろな意味で、一見の価値のあるアニメ映画だと思います。

個人的には、昨年訪れた種子島の風景が見事に再現されていて、写真で見る以上の感動がありました。

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本・映画」カテゴリの記事

コメント

私もこれジーンときました

山崎まさよしの主題歌が、ぴったりでよかったですね

 これは、他の挿入かで使われたようですが、新海監督が是非ということらしく、なるほど歌詞も、この映画用に書かれたかのような物で、いい歌でした

投稿: トナカイ | 2009年8月30日 (日) 07時56分

「One more time, One more chance」は本当にいい曲ですよね。
あの曲に触発されて、以前に山崎まさよし主演で「月とキャベツ」という映画が作られているはずです。
けれども、まるでこの映画のために書かれたように、歌が映画に溶け込んでいていましたね。

投稿: akamatsu | 2009年8月30日 (日) 23時25分

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