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2008年11月15日 (土)

「真夜中の五分前」

Five_minutes_to_tomorrow 先日、村上春樹の話で、春樹チルドレンについてちょっと書いたことがあったので、春樹チルドレンの代表のように言われている、本多孝好の「真夜中の五分前」を読みました。直木賞の候補にもなった作品です。

これで、村上春樹にそっくりだと言われると双方に対して失礼かな。

題名や装丁やSide-A, Bと上下巻に分けた構成や、と矢鱈にスカした小説ですけど。

人間描写に稚拙なところがないことはないけれど、巧いというか器用に書かれた小説だと思います。表現や比喩(それこそ村上春樹的と言われる所以)は相当に巧い。

けれども、後半に向かって作者の筆が走って来るにつれて、少しずつ様相が変わってきます。

スカした言い回しがなりを潜め、表現もストレートになり、熱を帯びてくる。

あたかも徐々に自分自身と向き合いだした小説の主人公のように。

この変貌を小説世界とリンクさせて確信的にやっているのなら脱帽だけど、最終的に出来上がっている本の装丁からすると必ずしもそうではないのかもしれません。

だから、この作者の評価は取り敢えず棚上げしておきます。

上巻(Side-A)だけ読んで、ケッと思ってやめちゃうともったいないかも。そういう点では、40代以上の者が読み続けるにはちょっと覚悟がいるかな。

Side-A, Bなんて装丁はやめて、「five minutes to tomorrow」なんて副題もやめて、上下巻まとめて一冊にしてしまえば、もう少し小説の評価は上がるかもしれないな。売行きは落ちるかもしれないけど。

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