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2008年10月24日 (金)

「バンテージ・ポイント」

Vantage_point DVDで「バンテージ・ポイント」を観ました。

複雑なシーケンスが見事に収斂していく圧巻の脚本

国際テロ対策の首脳会議が開催されるスペイン・サマランカのマヨール広場にて、演説中の米大統領が狙撃される。同時に爆弾テロも起こり混乱する中で、事件を目撃した8人の視線が事件の真相を明らかにしていく・・・

この「事件を目撃した8人の視線」がそのままにカメラワークとなり、事件の経過を巻き戻し、また繰り返すという、これまでにない斬新な手法・脚本で撮られた映画です。

ひとつの事件を多角的に(多視線的に)見ることにより、「藪の中」が浮かび上がってくるというのは、さながら「羅生門」のようです。

けれども、この映画の描写で浮かび上がってくるのは「人間」ではなく、あくまでも「事件の真相と経過」だけなので、そう深みのある話ではありません。

ただ、この手法によって、映画のオープニングからエンド・クレジットまでの緊張感が途切れることはなく、多視点で複雑に描かれるシーケンスが、最後にジグソーパズルのピースがはめ込まれるように収まる様子は圧巻です。

わずか90分の中に、複雑な視点で描かれる物語を破綻なく詰め込み、終盤にカーチェイスまで盛り込んだ脚本は見応えがありました。

登場人物たちの人間性までには話が及ばない映画ではありますが、アメリカの対テロ戦略がドル防衛戦略であるというような政治的な視点もチクリと絡めてあったことも付け加えておきましょう。

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