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2008年9月21日 (日)

「ゴールデンスランバー」

Golden_slumber 伊坂幸太郎の本屋大賞受賞作「ゴールデンスランバー」を読みました。

相変わらず描写力とキャラクター作りの巧さだけで乗り切る

仙台市をパレード中の首相が何者かによって暗殺された。進んだ監視社会の中で渦巻く陰謀に翻弄される若者たちは・・・

極端な言い方をすると、ストーリーはあってないようなものです。相変わらず素晴らしい描写力で人の心理やキャラクターを描いていきますが、話の構成力はとても褒められたもんじゃないと思います。

直木賞候補作の発表がある前に賞の辞退を表明して話題になりましたが、いずれにしてもこれでは直木賞は獲れないでしょう。この辞退が、賞レース報道に翻弄されたくないとか、以前のように直木賞には権威はないとか、在野の小説家にとって本屋大賞で十分とかいった意味であるのなら、直木賞に対して失礼極まりないと思います。話の構成力だけなら、候補作になる以前のレベルでしょう。

しかし、毎度毎度同じことを書きますが、伊坂幸太郎の描写力は群を抜いて素晴らしいものがあります。

どこでも適当なページを開いて、そのページを読むだけで十分楽しめるほど、それほど濃密で活き活きした描写に溢れています。

いつも思うことですが、伊坂幸太郎の小説は、抜群の巧い絵で描かれた漫画のようです。キャラクター作りや心理描写に長けている絵はその場面場面の感動を伝えてくれますが、その原作のストーリーがいま一つといった感じの、原作者のある漫画です。

いっそのこと、優れた構成作家と組んでコラボ作品でも出したらどうでしょう。場合によっては最強のエンターテイメント作品が出来上がるかもしれません。

まあ、それは冗談ですが、いつも期待しているだけに残念でなりません。

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