「終末のフール」
伊坂幸太郎の「終末のフール」を読みました。
最近映画化された「死神の精度」でも話題の作者ですが、僕はよく知りませんでした。
で、「死神の精度」を図書館で借りようと思ったけれども、さすがに貸し出し中で、この作品を借りてきたわけです。
しかし、これ、かなり面白かったです。
3年後に小惑星が地球に衝突して人類が滅亡することが分かっているという設定で、様々な家族を描いた連作短編集です。
SF的な設定ですが、物語自体はSFではなく(このSF的な設定にオチもありません)、そういう設定を切り口にして「人間の幸福」について描いた小説といえると思います。
テンポが良くて読みやすいのですが、登場人物の心理描写が実に巧いと思います。
「あ~、そういう表現をするのか!」と何度も唸らされました。
様々なレビューを読むと、伊坂幸太郎のコアなファンにとって、この小説はどちらかというと物足りない異色のもののようです。また、他の作品も読んでみようと思います。
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