「蛇イチゴ」「ゆれる」
DVDで映画「蛇イチゴ」を観ました。
同じ西川美和監督の「ゆれる」が素晴らしかったので(2回観ました)、監督第一作目の本作を観てみました。
「ゆれる」で描かれた世界観がそのままに別の形の配役・ストーリーで作られている感じです。
登場人物それぞれの糾える縄のような善・悪、聖・邪を評価することなく淡々と描き出す視点は独特で、これだけのオリジナル脚本が書ける監督はそういないと思います。
「ゆれる」主演のオダギリジョーが、同世代の者としてその才能に嫉妬すら覚える、と発言していましたが、本当に巧いとしか言いようのない脚本と演出です。
両作ともラスト・シーンが秀逸で、決して明るくないストーリーに小さな蝋燭の明かりを灯すような暖かさを添えて終わります。人間の醜さも骨の髄まで描き出しながら、それでもすべてを肯定するようなささやかな幸福感があります。
いい映画です。
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