「記憶の棘」
DVDで「記憶の棘」を観ました。
10年前に死んだ夫への思いをようやく断ち切って、再婚する決意をした二コール・キッドマンの前に、夫の生まれ変わりだという10歳の少年が現れて・・・というストーリー。
二コール・キッドマンのプロモーション・ビデオと言っても過言でない彼女の熱演と相まって、心打たれる切ない話なのですが、ラストに至る伏線が弱くてちょっと残念。
このためにストーリーの起伏も弱くて、「少年は本当は生まれ変わりなのか否か」などという論争もあるようですが、これは普通に考えれば「是」でしょう。あまり書くとネタバレになっちゃいますが、そもそもこういう論争が出てくること自体、この映画の欠点。
映画の登場人物たちが「否」と納得したけれども、実はそうではなかったというのがこの映画の醍醐味であり、切ないところなんだと思いますが、せっかくのいい話を描き切れていないのが残念。
こういう感情に訴える話は、やっぱり分かりやすくなくちゃね。
監督はジャミロクワイの「ヴァーチャル・インサニティー」のPVを撮ったジョナサン・クレイザーというひと。
あのPVは好きだったなあ。不思議な空間で続くJKのタコ踊り。何度見ても飽きなかったなあ。最近PV集の付いたベスト盤を買ったから、また観ようっと。
映画はPVの雰囲気とは打って変わって、長回しとアップの多用。これはこれで面白かったけど、画像的なトライアルとストーリーの起伏がもうちょっと合ってくればいい映画になったのになあ。
| 固定リンク
「本・映画」カテゴリの記事
- 「長ぐつをはいたネコ」(2012.03.30)
- 「マイレージ、マイライフ」(2011.08.04)
- 「嫌われ者の流儀」(2011.08.10)
- 「街場の中国論」(2011.08.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント