ニュー・シネマ・パラダイス
「 ニュー・シネマ・パラダイス(完全オリジナル版)」を観ました。
「ニュー・シネマ・パラダイス」は大好きな映画の一つ。これまで何度も観ましたが、この春の引っ越し時にホームシアターを導入したのを機に、昔の好きな映画を観直しています。
それと、以前からこの「完全オリジナル版」を観よう観ようと思いつつも、結局これまで劇場公開版しか観ていませんでしたので、今回は一気に3時間「ニュー・シネマ・パラダイス」に浸ってみました。
結論としては、これは全く別の映画です。
「完全オリジナル版」では主人公サルヴァドーレの青年期と30年経って故郷に帰ってきてからのエピソードに多くを割かれています。
これらのエピソードがあると映画が冗長になるのはもちろんのこと、有名なラストシーンも、「パラダイス」が壊されるシーンも、ちょっと別の「意味」を含んできます。
もちろん、これが「完全オリジナル版」ですから、監督ジュゼッペ・トルナトーレが意図した「意味」はこの通りでしょうし、長くなったエピソードで丁寧に説明されたおかげで曖昧だった細部の台詞の意味も明確になっています。
30年経って故郷に帰ってきたオッサンとしては、ジュゼッペ・トルナトーレがこれを描きたかった気持は痛いほど判るのですが、「泣けない映画になっちゃったなあ」というのが一番の感想です。
作者の手を離れ、作者の意図したものとは違う形で世の中に広がっていったとしても、あそこまで刈り込んだ劇場版は秀逸だと思います。
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コメント
>結論としては、これは全く別の映画です。
同感ですね。
僕自身は「どちらも捨てがたい」って感じですが。
そしてどっちを観ても、ラストの試写室のシーンでは泣けてしまう。
フィルムのマジックと、「映画音楽」の力を感じずにはいられません。
投稿: 鈴麻呂 | 2007年7月28日 (土) 06時46分
鈴麻呂さん
僕は、何だか身につまされるようで「完全版」のラストでは泣けなかったんですよ~。
どちらが好きかといえば「劇場版」と答えます。でも、トルナトーレが「完全版」を作り、世に出したかった気持はよく分かります。
>「映画音楽」の力
ホントにその通りです。いろんなコマーシャルなんかにも使われたりしてますけど、エンニオ・モリコーネの最高傑作だと思います。
投稿: akamatsu | 2007年7月28日 (土) 11時36分